半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3247 実践と理論

様々な人たちが,道徳科について論を展開しています。
大学教授や現場教師,研究団体などです。
様々な理論のベースになっているものは,学習指導要領とその解説編のはずです。
しかし,この理論をベースにした道徳授業を実践すれば,必ず生徒の道徳的な判断力と心情,実践意欲と態度を育てることができるというものは,ないと思います。
もしそれがあるとすれば,全国の教師全員がその理論に基づいた授業をやっているはずです。
「道徳のチカラ」で開発している自作道徳授業が現場で活用されるはずがありません。
「とっておきの道徳授業」がこんなにも売れるはずがありません。
その理由は,簡単です。
どんなに立派な理論に基づいた道徳授業でも,目の前の生徒に通用するとは限らないからです。
その理論がどのような生徒を想定してつくられたのかが疑問なのです。

大切なことは,その理論が本当に一般化できるかどうかは,実践してみないとわからないということです。
つまり実践で勝負しなければいけないのです。
教材として読み物資料を使ってもいいし,自作でもいいのです。
結果,その実践がいいか悪いのかは生徒が評価してくれます。

生徒の反応がよくない,表情がよくない,発言が少ない,わかりきったことやきれい事しか言わない,書かない,深まりがない感想などばかりが出てくる,授業後に生徒が話題にしない,保護者の反応がないような実践では駄目なのです。

野口芳宏先生は,「理論は必ず実践をくぐらせること」と言われています。
深澤久先生は,「実践者であれ」と言われています。

100の立派な理論やきれい事よりも1つの優れた実践をすることが大切だと思うのです。

11月2日に佐世保で開催される九道研が間近になった今,こんなことをずっと考えています。