半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3676 読破50冊目「世界一わかいやすい俳句の授業」

●「世界一わかりやすい俳句の授業」(夏井いつき PHP★★★★

タイトルどおり,俳句づくりについて分かりやすく書かれています。

夏井先生と素人編集者との会話形式ですすんでいきますので,読みやすかったです。

9時間の授業内容は以下の通りです。

①自分の俳号を考えよう

②俳句には二つの技がある

③「尻から俳句」で俳句デビュー

④「一二音日記」を書いてみよう

⑤完成した句をチェックしよう

⑥「切れ字」を使ってみよう

⑦季語を観察してみよう

⑧「一物仕立て」を仕分けしよう

⑨句会に出てみよう

 

特に③の「尻から俳句」については,なるほどと頷きました。

この技を使えば,素人でも簡単に俳句が作れそうです。

印象に残ったのは,夏井さんのあとがきです。

〈引用始まり〉

俳句における「学び」の近道があるとすれば「素直であること」かもしれない,ということです。柔道や剣道のように型があり,職人さんが弟子に伝えていくように技法を学ぶのが俳句という文芸。まずは,先達のいうことを聞いて,その通りに素直にやってみる。長年培ってきた定石や技術を謙虚に知ろうとする。その学びが俳人としての土台となり地力となっていくのだと,あらためて認識しました。世に中には,「型だの技法だのは無視していいのだ!」「すべての表現は自由であるべきだ!」と主張する向きもあるでしょうし,そのような考え方を不定するつもりもありませんが,それらはしっかりと基礎を身につけた後の議論ではないかと思うのです。まずは,「素直に学ぶ」。これが初心者にとっての学びの近道なのだと,秘英知(俳句素人の編集者の俳号)は本企画を通して,身体を張って教えてくれました。

〈引用おわり〉

この文は,教師にとってもまったく同じことが言えます。大学生や若手教師に常々言っていることと重なる部分が多いのです。「素直さは無敵です」

 

夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業

夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業