半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2181 計画訪問終わる

本日,計画訪問が終わりました。県教委と市教委から6名,来校されました。すべての教師の授業を見てまわられました。
計画訪問では,必ず道徳授業を公開してきました。
今回は,担当学年ではない3年生で授業を行いました。
題材は「平和について考える」です。
この授業のために書いた指導略案から,題材観を紹介します。


  今まで私が経験してきた平和学習は,次の2種類に分けられると思う。
 ①体験談・写真・映像などのノンフィクション資料を通して戦争の残酷さ,悲惨さなどを伝える。
 ②反戦平和運動で尽力した人物を紹介し,平和実現に対する行動目標を考えさせる。
  現在の中学生にとって,戦争は大過去の出来事であり,どこか遠い外国のことのようにとらえているように感じる。
また,戦争の被害などの数字があまりにも大きすぎたり,写真や映像があまりにも刺激的すぎたりして,自分の身近なものとしてとらえられないのではないかと思う。   
このことについて,京都教育大学の村上登司文氏(註1)は「子どもたちにとって戦争などの平和問題は大きすぎて解決方法の理解が困難とみなされ,子どもたちは平和形成方法について考えることなく、単なる平和祈念か思考停止にとどまることが多い。」と書いている。
  このようなことから,平和を生徒の身近なものとして考えさせるいくつかの道徳授業を創作し,実践してきた。本授業では生徒の年齢に近い若者についての資料を使うことで,平和をより身近なものとしてとらえさせ,平和のためにできる具体的な行動を考えさせたいと思う。 
※註1「平和形成方法の教育についての考察〜中学生の平和意識調査を手がかりに〜」(『広島平和科学28』2006年)

難しい題材なので,生徒の意見が出にくいかなと思っていましたが,ちょっぴりですが,ねらいに近づいた意見が出ました。
しかし,意見を引き出すための雰囲気づくりで失敗し,活発な意見が出ませんでした。
本当に,授業は難しいとあらためて感じました。
生徒の感想は明日,掲載します。