半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5497 さようなら目黒孝二さん

大学生になったばかりの頃,友人のKくんから,「面白いから読んでみて」と1冊の本を紹介してもらいました。Kくんとは,小中高と同じ学校で仲良く,特に大学生になった頃から一緒に遊ぶことが増えました。
Kくんは,時折,自分が読んだ本を紹介してくれました。
不思議と紹介してくれた本はとても面白く,Kくんのおススメ本を信頼していました。(本の趣味があっていたのかもしれません)
さて,その時紹介してくれた本が,椎名誠さんの「哀愁の街に霧が降るのだ」(情報センター出版局 1981年)でした。
それから,現在まで椎名誠さんの本は,ずっと読んできました。
椎名さんは友人の目黒孝二さんと一緒に1972年に「本の雑誌」をつくり,現在に至ります。
その目黒さんが1月に76歳で亡くなったというニュースを知り驚きました。
そして,悲しくなりました。
大げさですが,自分と一緒に同じ時代を生きてきた人だと思っていたからです。
そんな目黒さんへの哀悼の意を込めて「本の雑誌 5月号」を買いました。
特集は,「さらば,友よ!目黒孝二さん追悼号」です。
多くの作家や関係者が追悼文を寄せていましたが,中でもよかったのは,
沢野ひとしさんの「目黒孝二のアパートを発見した日々」でした。
沢野さんらしい,やわらかな空気が漂う文章を読んで,また,悲しくなりました。
私も友人のKくんも今年61歳になります。
じわじわと自分の人生のことを振り返り,これからのことをぼんやりと考えている(と思う),今日この頃です。

素晴らしい本の世界を紹介してくれた目黒孝二さん,ありがとうございました。