半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4610 読破17冊目「続 家族のあしあと」

〇「続 家族のあしあと」(集英社★★★★

椎名誠さんの「続 家族のあしあと」(集英社)を読みました。シーナさんは76歳ですが,この本に描かれている家族,風景,空気,匂いなどは,私が育った40年代にもまだあちこちに残っていました。ですから,読みながら何度も自分の子供の頃を思い出しました。大人数での食事,野山での遊び,学校の様子,おせっかい焼の近所のおじさんやおばさんなどなど。貧しかったけれど,楽しく輝いていた毎日がとても懐かしく思い出されました。そして,最後は,切なく哀しくなるのです。「昭和」という言葉でひとくくりにしてほしくない,宝箱のような日々がそこには,確かにあったのです。もうすぐお盆ですが,親戚が集まり食べ,飲んで,笑い,語り,遊んでいた風景が思いだされます。この本の最後の章の題名が「風景の色が踊っている」です。さすがシーナさんです。見事な題名だと思います。