半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4135 「踊る大捜査線」に見る組織論

先週は1週間ずっと「踊る大捜査線」(テレビ版10話)を観ていました。
刑事ものとしても面白いのですが,本庁と所轄の関係,湾岸署の組織にとても興味がわきました。
つまり,このドラマで市教委と職員室を重ねて見たわけです。職員室も組織ですから,青島刑事(織田裕二)のような自分勝手な行動をとることはできません。
しかし,すべてを本庁の命令どおりに動かなければいけないとなれば,所轄の警察官の反対は大きくなり,捜査意欲が高まることはないのです。
逆にすべての事件を所轄に任せてしまっては,動きがバラバラになり統率がとれません。
そこで警視庁キャリアである室井管理官(柳葉敏郎)の存在が大きくなるのです。
彼は,本庁と所轄を有機的につなげる努力をしようとして,悩み苦しみます。(心情的には所轄派)
ちなみに,本庁と所轄の調整役(サーバントリーダー)として,鵜飼管理補佐官(小栗旬)が登場しますが,室井管理官と違って,情ではなく論で働くような立ち位置でした。(これは映画版に登場)
このドラマで,学校という組織はどうあるべきかを考えるきっかけをもらったのです。
今の職員室には,湾岸署刑事課のような組織があっているように思います。
笑いがありミスがあり一見ゆるそうな職場の雰囲気ですが,1つの目標が定まれば,仲間を思い仲間と協力して動く組織です。
ガチガチのトップダウンで動く組織を作ろうとしたら,個々の先生たちのキャラや良さが失われてしまうのです。
青島刑事のような熱く行動的な教師も必要ですし,退職間近の和久刑事(いかりや長介)みたいな教師も必要なのです。
最後に室井管理官の名言です。
「現場の君たちを信じる」
こんなことを考えなくても,面白いドラマです。