半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2300 読破56冊目「プロ教師の流儀」

●「プロ教師の流儀」(諏訪哲二 中公新書ラクレ★★
久々に諏訪さんの本です。
いつもと同じように,すんなりと読み進めることができませんでした。
そんな理由で,読破するために相当な時間がかかりました。
しかし,諏訪さんの本は,一般的な教育書とは違って,教師や教育について冷静に見ることの大切さを教えてくれます。
つまり,当たり前とかキレイゴトを疑ってみるという視点で書かれているのです。
特に興味をもった部分は,「スクールカースト」を批判した部分です。

〈引用始まり〉
私はその状態をインドの上から下までたくさんの位階制を持ち,自分が生まれた階級(階層)から一生逃れることのできないカースト制に比するのはまったく賛成できない。カーストは階級のみならずその階級に宿命づけられてる職業とも結びつている。現在もカーストの軛に苦しみ喘いでいる人々が膨大に存在しているなかで,たかがクラスの人間関係のなかから醸成されてくる上下的,位階的な居心地の悪さの原因として「カースト」という語を使うことは許されるべきではない。まったく事実と質の異なることだ。
〈引用終わり〉

なるほどです。
はやりに流されることなく,ちょっと立ち止まって考えることの大切さを教えてくれています。