半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2166 85冊目「狼の牙を折れ」

●「狼の牙を折れ」(門田隆将 小学館★★★
今日から,休みに入りました。
午前中は,実力テストをコツコツと作っていました。午後は,家の大掃除で窓ふきをしたり,資源ゴミをまとめたりしました。
読書の波がようやくやってきて,今日の朝早くから,読みかけにしていたこの本を読破しました。
門田さんの本は,とても読みやすいのが特長です。
1974年8月に起こった三菱重工本社ビル爆破事件の犯人を追ったノンフィクションです。
特に,犯人逮捕の章は,緊迫した描写でまるで映画でも見ているかのような感じでした。
中でも,印象に残ったのは,次の部分です。

〈引用始まり〉
日本人が豊かになってきた時代ではあったものの,貧富の差はやはり大きく,同じ世代でありながら,学生運動をする側は比較的,裕福で,一方,警察の門をたたいた側は経済的に恵まれていない人たちが多かった。(中略)石に齧りついても,という執念とハングリーさを示したのは,学生よりも,むしろ犠牲者の底知れぬ無念さを胸に刻んだ警察官の側だったと言えるかもしれない。」
〈引用終わり〉

しかし,やっと逮捕した犯人たちのうち,数名は超法規的措置によって海外へ釈放されたことと,主犯格が未だに死刑になっていないという事実があります。
あの事件では,死者が8名,負傷者が376名出ました。
大勢の犠牲者たちの無念さが痛いほど伝わってきました。

さて,年間100冊読破を目指して頑張ってきましたが,今年もあと2日です。
100冊読破は無理なようです。
残念です。