半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2171 51冊目「登山の哲学」

●「登山の哲学」(竹内洋岳 NHK出版新書)★★★★
日本人初の14サミッターとなった登山家の竹内洋岳さんの本です。
哲学というタイトルですが,世界の8000mをこえる山々を登頂した記録を記した本です。
最終章で,登山を通して考えた人生哲学みたいな内容は出てきます。
中でも一番納得した言葉は,
「経験は積み重ねず,並べるもの」です。
このことについて,竹内さんは次のように書かれています。

〈引用始まり〉
私にとっての経験とは,積み重ねるものではなく,並べるものなのです。経験が増えれば増えるほど,数多くのディテールが知識となって記憶にインプットされます。そのディテールとディテールとの隙間を埋めていく作業が想像です。
だから,経験の積み木のすべてが見渡せるように,テーブルの上に広げておく。そして,並べてある位置を移動させたり,順番を入れ替えたりしながら,隙間を埋め尽くすほど想像力を膨らませていくわけです。
〈引用終わり〉

これは,なるほどと思いました。