半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3226 読破3冊目「夜を乗り越える」

●「夜を乗り越える」(又吉直樹 小学館よしもと新書)★★★
「火花」を読みましたが,正直その良さがよくわかりませんでんした。
何となく無理がある展開についていけなかったからです。
しかし,この本は,すんなりと入ってきました。
特に「なぜ本を読むのか」について書いてある部分は大きく頷きながら読みました。
こんな感じです。<引用始まり>
小説を読むとやはり視点は増えると思います。同じ人間が書いた,物語の中に,全然考えの違うふたりが出てきてぶつかるわけです。書いているひとにも複数の視点があり,読むことにより,その視点はさらに増える。
本を読み,他人の人生や判断を知ることができるのは大きいと思います。
雑誌や何かで相談を読むと,その答えは誰もがもっとちゃんと書いていたなあと思うことがあります。Aが千六百字で出した答えを,本を読んでいるBは八百字でそれは誰々がこう的確に書いていたと言い,残りの八百字でさらに自分の論を展開することができる。本を読んでいればそこからスタートできる。これはかなり大きなことだと思います。
文化は継承していけばいい。すべてをゼロから始める必要はない。先人達や他人の考えや経験を自分のものにする。読書によって知識,思考,視点を増やしながら,自分の人生と照らし合わせ実感を持ち,自分の考えを深めてゆくことができる。<引用終わり>

お笑い芸人にしておくにはもったいない人です。