半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

語り「お別れの言葉」

離任式で次の話をしました。
「コンビニに行ったら,店員さんがいらっしゃいませ,こんにちはと言いますね。みんなはどうしていますか」(ステージ上から一人の生徒を指名し発表させました。その生徒は,スルーしますと答えました。)
「ファミレスで店員さんがメニューを持って来ました。みなさんはどうしていますか」(これに対しても指名しました)
「夕食の時に,お母さんがご飯のおかわりを食卓に持ってきました。みんなはどうしていますか」
「先生が,ノートを返してくれました。みなさんはどうしていますか」
「前の席の人がプリントを自分へまわしてくれました。みんなはどうしていますか」
「どうして,みんなは何も言わないのでしょう。何もしないのでしょう。それは,すべて当たり前だと思っているからです。」
「当たり前と思っているから,何も言わないんです。何もしないんです。」
「朝起きたら,手が動く。歩いて登校できる。野球ができる。ご飯が食べられる。こんなことをみんな当たり前だと思っているんですよ」
「当たり前の反対は何でしょうか」(一人の生徒を指名しましたが,答えられませんでした)
「当たり前の反対は,ありがたいです」
「コンビニもファミレスもおかわりもノートもプリントもみんな当たり前だと思っているから,何も言わないのです」
「この当たり前をありがたいに変えることができれば,世の中はもっと良くなるはずです」
「みんなは人として成長できるはずです」
「4年間お世話になりました。ありがとうございました。さようなら。」