〇「3.11 兵士は起つ 自衛隊活動記録」(杉山隆男 扶桑社新書)★★★★
タイトル通り,東日本大震災で自分の命も惜しまずに救助救援活動に専念した自衛隊員の活動記録です。
まえがきにはこんな文が書かれています。
〈引用はじまり〉
「あの日,隊員たちは携帯がつながらず自分の妻子や親の安否もたしかめられない中で,惨状が広がる現場に急行した。自ら津波に巻き込まれながら,溺れかかった人の命を救った隊員たちもしる。彼らは小雪がちらつく中,夜を徹して住宅に取り残された住民の救出をつづけ,さらに翌日から何日にもわたって行方不明者の捜索に当たった。」
〈引用おわり〉
この本を購入しようと思った理由は2つです。
1つは,九州各地を襲った豪雨災害での自衛隊の献身的な活動に感激したからです。
2つは,自衛隊員と新型コロナ感染と戦う医療関係者がオーバーラップしたからです。
感染者の増加数や感染源ばかりを強調する報道ですが,最前線で戦っている人たちがいるのことを忘れてはいけません。
この本には,こんな場面が紹介されています。
自衛隊員である夫に妻がこんなことをたずねました。
「仕事と私,どっちが大切なの?」
夫は,何のためらいもなく即座に,仕事,と答えたそうです。
そして,こんなことを付け加えました。
「家族より部下が大切だし,部下よりも国民が大切だ」
「危険を顧みず,身をもって責務の完遂に務める」人々が,この日本にいることを誇りに思います。