最近は,テレビドラマをほとんど見なくなりました。
その理由は,気に入る脚本家がいないからです。
昔であれば,好きな脚本家のドラマはすべて見るぐらい気合いが入っていました。
例えば,
山田太一さん
早坂暁さん
池端俊作さん
黒土三男さん
などです。
これらの脚本が出版されれば購入し,月刊「ドラマ」という脚本についての雑誌も購入していました。
さて,この本は,好きな脚本家である倉本聰さんの多くの作品に関するエピソードを中心に書かれています。
教師は,話すことが仕事ですから,その場面に応じた「言葉」を選ぶことが重要となってくるはずです。その言葉について大切なことが5つあると考えています。
①相手の心に響く言葉をどれぐらい知っているか。
②普通の人が言わないような言葉の組み合わせができるか。
③できるだけ簡単な言葉で説明できるか。
④相手の心に響く短い言葉をどれぐらい知っているか。
⑤できるだけ言葉を捨てられるか。
倉本聰さんの脚本から,③と④と⑤を学びました。
身近で誰もが知っている短い言葉で感動させることができるのです。
特に「北の国から」の脚本からは言葉が持つ重さを学びました。
教師は,脚本からも学ぶべきだと思っています。
さて,この本で一番感動したのは,以下の部分です。
〈引用始まり〉
子供の頃に遊んで帰った,田舎の泥んこの一本道がある。やがて舗装されると人々が町へ出て行く。ふるさとは過疎になり,道にはペンペン草が生えてくる。それが登場人物たちの原風景なんです。そこに帰っていきたいという老夫婦を書きたいんですよ。
〈引用終わり〉
私の原風景も似たようなものです。最終的に人はその原風景に戻りたいと願うのではないでしょうか。