半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3578 読破66冊目「鯨分限」

●「鯨分限」(伊藤潤 光文社)★★★
分限とは「ぶげん」と読みます。
意味は,富豪という意味です。
つまり,「鯨分限」とは鯨を捕って大金持ちになる人のことです。
主人公は,和歌山の鯨とりの棟梁である太地覚悟です。
江戸時代から明治の初め日本が大きく変わる時に生きた男の波瀾万丈の人生が描かれています。
なかなか力が入った快作です。
覚悟という男は潔さと決断の早さが魅力です。
物語がスピーディーに進んでいくので読みやすいですが,もう少し丁寧に描いたほうがよかった場面もありました。
しかし,激動の時代に生きた男気溢れる物語です。

鯨分限

鯨分限