半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2359 学習指導要領 解説を読む⑥ 

p103
「多様な教材の開発に当たっては,例えば,題材とする人物の選定に当たって,生徒の関心を重視するだけではなく,その人物の生き方から人間としての生き方を考えさせる場面を設定できることが重要であるなど,いたずらに生徒の興味を引くことのみに留意するのではなく,道徳科の教材として具備すべき要件を踏まえ,道徳科の特質を生かした展開が可能となるよう,授業での活用を視野に入れた工夫が求められる。」


ここに書かれている「いたずらに生徒の興味を引く」とは,どんなことでしょうか。


私が道徳授業をつくる時に,心がけていることは,第一線で活躍するような人物ではなく,2番目ぐらいの人物をできるだけ取り上げたいということです。
例えば,「プロジェクトX」で取り上げられるような人物ではないということです。
例えば,オリンピックで金メダルを獲るよいうな人物ではないということです。
そのような人物は確かに素晴らしいと思います。
子供たちにも,そのような生き方を教えたいと思います。
確かに,生徒の興味を引くことができると思います。
しかし,私は2番目にこだわりたいのです。
銀メダルを獲るような人物に魅力を感じます。
人類で初めて宇宙に行ったソ連ガガーリンは,実は2番目の候補者だったのです。
これを知った時に,ガガーリンに対する興味感心が高まりました。


その時々に注目を浴びた人物をすぐに取り上げるのではなく,その人物像が詳しくわかった時に,じっくりと道徳授業で取り上げることが大切なのだと思います。
それが,「いたずらに生徒の興味を引く」ことを防ぐことができるのだと思います。