半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2510 読破51冊目「教育という病」

●「教育という病」(内田良 光文社新書★★★★
学校現場は「生徒のため」という理由だけで,思考停止になることが多々あります。
例えば,部活指導中や試合の時に生徒に罵声を浴びせる監督やコーチがいます。
例えば,全職員(一部職員を除く)が何らかの部活顧問になり,土日祝日でも指導にあたっています。

このような思考停止を著者は,「教育の病」と捉えています。
この本で取り上げているものは,ページから抜粋すると以下の通りです。
①体育大会の組体操
②2分の1成人式
③部活動指導中の体罰と事故
④部活顧問の過重負担
⑤柔道部での死亡事故

です。

特に④について,部活動指導は教師として当たり前だと考えている保護者が多いように思います。
是非,このページだけでも読んで欲しいと思います。
一般企業に当てはめれば,「ブラック企業」と言われても仕方がない状況です。

ただ単に,「生徒のため」という理由だけで行うのではなく,そのリスクをしっかりと考える必要があることを教えてくれる重要な1冊です。

部活動指導について,ネット上で声を上げている公立中学校の女性教師のブログを紹介しておきます。http://bukatsu1234.blog.jp/

内田さんが立ち上げている「部活動リスク研究所」も紹介しておきます。http://www.rirex.org/index.html

是非,一度のぞいてみてください。