半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2370 学びの動機づけ

学力向上のために,今までやったことを思いつくままに書いてみます。

①朝自習で,ミニドリルを行い,学習部の生徒にチェックさせた。
②B5サイズのノートを半分に切り,ひとり一人に家庭学習を毎日してくるように指示し,提出後,私がチェックした。
③家庭学習チェック表をつくり,生徒が学習した内容と時間を保護者がチェックし印鑑を押してもらった。
④教科書の音読カードをつくり,自宅で音読をした時に,保護者の印鑑を押してもらった。
⑤ひとり一人の学習時間を班で合計して,毎日後ろの黒板に書かせた。
などです。

①〜⑤までで成功した取り組みは1つもありません。
スタートはいいのですが,続かないのです。
教師が忙しいということもありますが,生徒の学びの動機づけができなかったからだと思います。
生徒の学ぶ動機は,「学ぶことが楽しい」ということだと思います。
例えば,数学の問題の解き方が実感できれば楽しくなり,新しい問題を解きたくなります。
例えば,社会で習ったことで驚きや面白さがあれば楽しくなり,続きを自分で調べたくなります。
例えば,理科の実験で興奮したら楽しくなり,自分の家で自分なりに工夫した実験をしたくなります。
例えば,国語で漢字の成り立ちで面白さを実感したら楽しくなり,辞書でいろいろな漢字を調べたくなります。

もちろん,テストの点数を上げたいとか,通知表の評価を上げたいという動機もあるでしょう。しかし,これは,できる生徒だけの動機になってしまいます。
勉強が苦手な生徒や嫌いな生徒は,ドロップアウトしてしまいます。

上に挙げた5つの取り組みを無理やりやらせても,学ぶことが嫌になってしまう生徒を増やすだけです。学ぶことが辛くなってしまうのです。

学力向上の根本は,日々の授業で生徒に学ぶことの楽しさを味わわせることだと思います。

私は,社会科の授業で家庭学習のネタをばらまくようにしています。
例えば,缶ビールの飲み口には,点字で何とかいてあるか。
例えば,シャンプーとリンス,横にギザギザがついているのはどっちか。
例えば,著作権マークや商標をたくさん調べてみよう

そうすると,数名の生徒が調べたことをノートに書いて提出します。これを他の生徒に紹介して褒めます。

こういったことの繰り返しで,学ぶことの楽しさを味わわせたいと考えているのです。