半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2360 和歌を通して自分や今を見つめる

国語の時間に,生徒が和歌を題材にしたエッセイをつくりました。
そのいくつかを学級担任が通信に載せていましたので,紹介します。
題材は額田王の「君待つと我が恋ひ居れば我が屋戸のすだれ動かし秋の風吹く」です。
この和歌の鑑賞を一人ひとりがエッセイにするという取り組みが面白いと思いました。
ある男子生徒の作品です。


・「秋の風吹く」から読み取れることは,恋人が来なくて悲しいという感情である。いつの時代も変わらないのは,人はどんな時でも様々な感情を持つということである。しかし,「古人」と「現代人」の相違点としては,次のようなことが挙げられる。例えば,花を見て「キレイだな」で終わってしまうのが,現代人で,「キレイだな」の後に,その美しさの深いところまで和歌で表現するのが「古人」だと思う。「古人」は一つ一つの「もの」を大切にしていて,その「もの」に対して感じたことを歌にしている。深くまで物事を考えて,「もの」やそこにある「自分の感情」を大切にするところを自分は見習っていきたいと思う。」


なかなかよくできた作品だと思います。
授業の取り組み方次第で,生徒はこのような素敵な作品をつくることができるのです。