半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2191 デジタル化の盲点

学校にパソコンや大型テレビが導入されて,授業で積極的に利用する教師が増えてきました。
私も,地理の授業ではパソコンに取り込んだ画像を教室に備えつけになっている大型テレビに映して見せています。
また,最近ではデジタル教科書を使う授業もたまに見ることがあります。
教科書に出てくる写真やグラフなどを簡単に拡大できたり,文章の部分に書き込むんだりすることができます。
確かに便利です。
が,しかし,
パソコンを操作するたびごとに,教師はパソコンのディスプレイやキーボードを見ることになります。
その時間は,生徒の様子を見ることができません。
短時間ではありますが,生徒が何をしているか分からない状況になるのです。
これが心配です。
授業とは,生徒の様子を常に把握しながら進めていくものです。
発問をして,生徒の表情からどれぐらいわかっているのか,わかってないのかをつかみます。
指示を出して,すぐに動かない生徒はだれなのか。
ノート作業をしていない生徒はだれなのか。
こういった,状況をつかめないことになるのです。
昔ながらのやり方ですが,授業開始時には,生徒を正面に向かせます。
そして,生徒の目を見ます。
そうすると,生徒のやる気のあるなしがある程度わかります。
授業終了後,生徒を正面に向かせます。
そうすると,今日の授業がよくわかったか,意欲的に取り組んだか,楽しかったかなどがある程度わかります。
新しいものの良さだけを追い続けるのではなく,昔から行われてきた指導法とその目的を理解しておく必要があると思います。