半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2251 まずは,教科書研究

全国学力調査の結果が出て,現場では学力向上のための対策を練っている頃でしょう。
学力向上のための授業改善や指導力向上をどうすればいいのかを研修が行われていると思います。
また最近は,学力向上と授業改善はセットで考えることが多いようです。
確かに授業改善も大切なことだと思いますは,それだけをやればいいという訳ではありません。
まずは,授業を実施する前の基礎となる「教科書研究」をしっかりとやることから始めるべきだと思います。
教科書も読まないで,まともな授業ができるのでしょうか。
班学習,視聴覚機器の使用,教え合い学習,教えて考えさせる授業など流行りの授業をする前に,まずは,教科書をじっくりと読み込むことが大切だと思うのです。
例えば,今日の社会科の授業では,「世界人権宣言」を扱いました。
その準備として,見開き2ページを10回読みました。写真やグラフや表などをじっくりと観察しました。
そうすると,いろいろな疑問が出ました。これを電子辞書やネットで調べました。
教科書の文でサラリと書かれている言葉が気になりネットで調べてみました。
条約などの「批准」と「締結」と「採択」の違いです。
教師が,この違いも知らないで教えることができるのでしょうか。
次に,「世界人権宣言」は教科書の巻末資料で掲載されていますが,さらにネットで確認しました。教科書では省略されていることが多いので,全文を確認するのです。
話しは変わりますが,聖徳太子が制定した「十七条の憲法」は教科書の資料として,3つの条文しか紹介されていません。17の条文を全部読むと意外と面白いのです。
このような,授業前の地道な「教科書研究」の大切さを若手教師にしっかりと教えておくべきだと思います。
それができてはじめて,授業改善に取り組むことができると思います。