半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2088 掛け算と割り算

本日発行した「学年通心」の内容を一部紹介します。

■学年集会でのはなし
 先週の木曜日に初めての学年集会を開きました。最初に,学級委員と学年委員がこんな学年にしたい,こんなところを伸ばしていきたいという決意を発表してくれました。初めてで緊張した部分もありましたが,一生懸命に発表する姿を見てとても頼もしく思えました。
 そして,2年生の先生たちからの話でした。最後に私がホワイトボードを使いながら話しました。
(70という数字を書きました)これは何の数字ですか?すると,ある男子生徒が「2年生の人数」と答えました。「そうです。これは,2年生の生徒の数です。」
(70×1=と書きました)「答えはいくつですか?」ときくと,70という正解が出ました。
(70×2=と書きました)「答えはいくつですか?」ときくと,140という正解が出ました。
(69×1×0=と書きました)「答えはいくつですか?」これも0という正解が出ました。
「では,この式の意味が分かりますか?」
「70×1=70というのは,2年生ひとり一人が「1」の力を出せば,70の力になるという意味です。
「70×2=140というのは,2年生ひとり一人が「2」の力を出せば,140という大きな力になるという意味です。
「69×1×0=0は,2年生69人が力を出しても,たったひとりでも力を出さなければ,全体の力は「0」になるのです。みんなが全力でがんばっていても,たった一人が手を抜いたり,問題行動を起こしたりすると学年全体が0となってしまうのです。
 次に割り算です。と言って式を書きました。
(70÷1=70)
(70÷2=35)
(70÷7=10)
(70÷70=1)
「これはどんな意味でしょうか?」ときくと,手を挙げて自分の考えをしっかりと発表した生徒が数名いて立派でした。「これは,一人の生徒が70の悩みを持っているとして,一人で悩んでも悩みは70のままです。しかし,2人で悩めば,半分の35に減ります。例えば,いじめられて悩んでいる人がいるとして,一人の仲間が声をかけてあげれば,悩みは半分になるのです。声をかけてあげる仲間が6人いれば,悩みは10に減ります。一人の悩みを全員で考えるようになれば,悩みは「1」になるのです。このかけ算と割り算を覚えていてほしいと思います。これからも,仲間を大切にする学年になってほしいと思います。
 生徒は,最後まで真剣にきいていました。 こんなところにも2年生の素晴らしさが見えました。