●「群青に沈め」(熊谷達也 角川文庫)★★★
太平洋戦争末期に,このような特攻隊があったとは知りませんでした。伏龍隊という,海に潜って敵の上陸艇を海中から棒機雷で突くという作戦部隊です。敵の艇は爆破できますが,もちろん海中の兵士も木っ端みじんとなります。この本は,その部隊に配属された若い兵士が訓練を通して,死ぬことへを覚悟する過程を描いています。戦争小説ですが,敵との戦いは描かれていません。それよりもところどころに笑いもあります。しかし,本当の戦争もこういった部分はあったと思います。戦争という特殊な時代を生きた若者の姿を現代感覚で描いています。今までとはひと味違った戦争小説です。
![群青に沈め (角川文庫) 群青に沈め (角川文庫)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51uYq-nM8TL._SL160_.jpg)
- 作者: 熊谷 達也
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: 文庫
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