半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5745 林子平と小笠原諸島

2年生の社会科では,「国境と領土の確定」という単元を教えています。

この中で小笠原諸島が日本の領土となった理由をいつも参考にしているマンガ「風雲児たち」(みなもと太郎 リイド社)を使って説明しました。

ペリーが来航した時に,小笠原諸島が日本の領土であること証明を示せと幕府に迫りました。

その時に幕府が見せた本が,林子平が著した「三国通覧図説」です。

しかし,ペリーは,日本語で書かれた本ではだめだと突っぱねます。

そこで,幕府はフランス語に訳された「三国通覧図説」を見せました。

こんな本があることに驚いたペリーは,小笠原諸島が日本の領土であると認めたというエピソードが「風雲児たち」に書かれています。

さて,どうしてフランス語訳の「三国通覧図説」が日本にあったのかは,詳しく書きません。

ロシアに漂流した,大黒屋光太夫の仲間が関係しているのです。

蛮社の獄が関係しているのです。

このようなつながりがあったからこそ,小笠原諸島が日本の領土となったのです。

 

こんなところに歴史の面白さがあると思います。

このようなドラマチックなエピソードを紹介することで,生徒が歴史を好きになればいい思います。

少なくとも教科書を読んで,歴史を好きになる生徒はほとんどいないでしょう。

それを面白くするのが,社会科教師だと思います。

歴史は,本当にドラマチックです。