「スーツアクターの矜持」(鈴木美潮 集英社インターナショナル)を読み進めています。
その中で,初代ウルトラマンのスーツアクターである古谷敏さんの言葉が心に残りました。
〈引用始まり〉
ー古谷さんの構えは腰が引けていて独特でしたね。
古谷
要するにちょっと怖がっている感じなんですね。『ウルトラマン』ではこちらから攻撃していくのを一切やめる,ということを示しているんです。それで「相手が攻撃してきたら,仕方ないからやるか」という考え方です。
〈引用終わり〉
確かに初代ウルトラマンでは,背中に寂しさを感じることがありました。
何よりも,悲しそうな表情をしています。
倒したくない怪獣を地球を守るために,仕方なく倒さなければならないという葛藤が表出していたのかもしれません。
そんなウルトラマンを見た子供たちは,人として大切なことを学んだと思います。