半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3244 読破67冊目「現代の学校を読み解く」

●「現代の学校を読み解く」(末松裕基他 春風社★★★
著者の一人である,雪丸武彦先生(現在,大分大学准教授)からいただいた本です。雪丸先生とは県立大学にご勤務されていた時につながりが生まれた先生です。
その雪丸先生が書かれたタイトルが「学校の仕事の拡大史」です。
その中で,部活動について書かれていたところを引用します。

〈引用始まり〉
中澤は部活動について「制度と呼ぶにはあまりにも脆弱な基盤の上に成立しており,慣習と呼ぶ方が適切である」と指摘している。このような慣習のために学校が束縛されるのは望ましいことでない。一部自治体が導入しているように学校の部活動実施のルールを定め,規制する必要があろう。
〈引用終わり〉

その通りだと思います。
雪丸先生は,学校の仕事の拡大の例として,
①学校衛生・学校保健
②生活指導・生徒指導
③学校給食
④部活動

これらの歴史を振り返ることで,その本来の学校がすべき仕事ではないことがよくわかります。
大鉈を振るい,大胆にスリム化しないと,教師たちが疲弊し倒れていくのも時間の問題です。
65歳定年の睨んだ再任用制を取り入れるのは,わかりますが,もっと若手を現場に投入していかないと,高齢化が進みつつある学校現場では肉体的負担が大きすぎます。
また,ベテランが持っている教育哲学や教育技術などが,未来へ受け継がせることが難しくなります。

現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来

現代の学校を読み解く: 学校の現在地と教育の未来