半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3376 読破15冊目「言葉にできるは武器になる」

●「言葉にできるは武器になる」(梅田悟司 日本経済新聞社★★★★
著者は,電通社員で缶コーヒーのジョージアCMで使われた「世界は誰かの仕事でできている」というコピーをつくった人です。
言葉を生み出す専門家が,人を感動させる言葉,人を動かす言葉を発するためには,どうすればいいのかについて書いたものです。

ポイントは「内なる言葉」を磨くことです。

「内なる言葉」とは,何かを考えている時に頭の中に浮かんでくるたくさんの言葉のことです。
このことについて,梅田さんは,次のように書いています。
〈引用始まり〉
自分の思考を深め「内なる言葉」をスムーズに「外に向かう言葉」へと変換させる。その結果,自分から生まれる言葉が,相手の胸に響き,納得や共感を得られるようになり,「この人はきちんと考えているな」「自分の言葉を話しているな」と感じてもらうことにつながるのだ」
〈引用終わり〉

「外に向かう言葉」だけを使うような教師では,ダメだと思います。このような教師の言葉は,生徒には響きません。
借りてきたような言葉でなく,「内なる言葉」を磨くことです。
磨く方法についていは,本書を読んでください。

そして,最後のほうに書いていた「動詞が衰えている」という言葉に刺激を受けました。
「英語+する」という言葉が増えてきているそうです。
なるほど。「コントロールする」「チョイスする」「スマホする」「ゲームする」「コメントする」などなど。
この原因は,体験が少なくなったことによると書いてあります。
なるほど。

話術について研究しているので,この本は,目から鱗本でした。

「言葉にできる」は武器になる。

「言葉にできる」は武器になる。