半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3221 暮れきる

晦日になると,小さい頃を思い出します。
私が小学生低学年の頃です。
父,母,兄,姉,祖母と一緒に過ごした大晦日です。
大掃除が終わると父は,おもむろにそばを打ち始めます。
母はおせちを作り始めます。
お腹をすかせた私は,母にせがんでおせちの端っこをもらいます。
夕方になると,父は早々に酒を飲み始めます。
夕食は,父が作った手打ちそばをみんなで食べます。
その頃には,紅白歌合戦が始まります。
子供たちはこたつに入り,父は相変わらず酒を飲みながら,紅白を見ています。
母は,気に入った歌手が登場すると料理の手を休め,テレビの近くにやってきます。
紅白が終わりに近づくととても眠くなってしまい,気持ち良いこたつの中で眠ってしまいます。
こんな感じで,毎年除夜の鐘を聞くことができないのです。
私の記憶にある大晦日は,決して豊かではない暮らしの中で訪れた特別な日でした。
今では,祖母,父母は亡くなり,あの頃の父母の年齢をはるかに追い越した自分がいます。
あの頃,父や母は何を考えていたのだろうかと思います。
どんな気持ちで,大晦日を迎えていたのでしょうか。




現在,妻が紅白歌合戦を真剣に見ています。
その横で私がブログを更新しながらチラチラと見ています。

今年もいろいろな出会いがありました。
いろいろな学びがありました。
いろいろな人たちのお世話になりました。
本当にありがたいと思います。

最後に,私が好きな2人の俳人の句を紹介します。

「あすは元日が来る仏とわたくし」(尾崎放哉)

「ほんにあたたかく人も旅もお正月」(種田山頭火

皆様よいお年をお迎えください。