半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3211 発問とフォロー

今日は,県立大学生が授業参観に来ました。
今年度は,3人の大学生が火曜日,水曜日,金曜日に定期的に参観しています。
その大学生から発問について質問がありましたので,今回は発問について書きたいと思います。
まず,質問と発問の違いについて,私はこのように考えています。
質問とは,一問一答となるものです。
例えば,「エジプト文明が栄えたのは,何という川の近くですか」という問いです。
これは,「ナイル川」という答えしかありませんから,質問となります。
では,発問とはと言えば,生徒からいろいろな答えが出るような問いです。
例えば,「世界の4大文明の共通点は何ですか」
「大きな川の近くに栄えた」
「独自の文字を使っていた」
「王などの巨大な権力が支配していた」
などが出るでしょう。


質問でも発問でも,重要なのはそのあとです。
質問の場合は,正解は1つですから,正解を発表した生徒を評価します。
では,発問の場合はどうでしょうか。
発問であっても,教師は正解を持って問いを発するはずですから,正解を発表した生徒をしっかりと評価しなければいけません。
しかし,様々な答えをしっかりと受け止めて評価していくことが肝要です。
つまり,個々の生徒をしっかりとフォローするのです。
「おしいね」
「あとちょっとで100点だ」
「うーん銅メダル」
「こりゃすごい。先生も思いつかなかったよ」
「大学生の答えを越えたね」
などです。
このようなフォローをすることで,生徒たちは授業への意欲を継続できます。
また,その教科が苦手な生徒でもしっかりと評価してもらえるので,眠ったり,私語をしたりするドロップアウトが少なくなります。
また,正解ではなくても,とてもユニークな答えを授業に組み込んでいくことで,授業に深まりや広がりがでる場合があります。
いろいろな研究授業を参観してきましたが,このフォローが圧倒的に少ないように感じます。
生徒の答えに対して,軽い言葉かけで済ませ,すぐに先に進むのです。

発問とフォローは対の存在ですから,発問づくりと同じようにフォローの勉強もすべきだと思うのです。