半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3087 読破42冊目「間宮林蔵・探検家一代」

●「間宮林蔵・探検家一代」(高橋大輔 中公新書ラクレ★★★
中学の社会科教科書では,歴史上の人物が数多く出てきますが,一人ひとりの魅力が伝わってきません。
その人物がどこで生まれ,どんなことを成し遂げ,そしてどうやって亡くなったのかなどを生徒に紹介することで,興味をもつかもしれません。
ですから,授業中のちょっとした時間を利用して,今までに読んだ本にはどんな人物で描いてあったかを紹介することもあります。
そんな時に,一番役立つものがみなもと太郎さんのマンガ「風雲児たち」(リイド社)です。
マンガですが,江戸時代から幕末まで,教科書ではあまり紹介されていないエピソードや出来事などが数多く載っています。
さて,今回は,大好きな冒険・探検ものです。
教科書では,間宮林蔵よりも最上徳内のほうが大きく扱われている感じがします。
吉村昭さんの「間宮林蔵」は読みましたが,別の角度から見た間宮像が興味深かったです。
特によかったのは,独身とされている間宮林蔵アイヌと結婚していたらしいということです。
ということで,間宮林蔵の血がつながった人が今もいるのです。その人たちへのインタビューも収録されています。
極寒の樺太アムール川の探検,現地の人々の交流,1つのことを成し遂げようとする間宮さんの意志の強さと優しさが伝わってくる1冊です。