半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2516 体験と経験の違い

最近,セミナーや学習会でよく発言してることは,「体験と経験」の違いについてです。
このことを考えるようになったきっかけは漫画の「鈴木先生」(武富健治 アクションコミックス)です。
この漫画の中で鈴木先生が生徒に語った一言が「体験と経験を一緒に考えることは危険だ」という言葉です。
また,鈴木先生は,「体験を自分の中に取り入れて糧にしたものを経験と呼ぶ」と言っています。
この言葉を借りれば教師としての成長するためには,様々な体験が必要なのです。
海外旅行に行く,多くの映画を観る,いろいろなジャンルの音楽を聴く,いろいろな人と出会う,多くの本を読む,いろいろなスポーツをやるなどなど体験は数限りなくあります。
しかし,いくら多くの体験を積んでも単なる体験で終わってしまう教師が多いのです。
教師として成長するためには,この体験を自分の中に取り入れ,教師としてのエネルギーに変えなければいけません。
では,どうやればエネルギーになるのか,それはアウトプットすることです。
例えば,体験したことで学んだことをノートに書いて残す。
例えば,体験したことを生徒に伝える。
こうすることで,体験を整理したりまとめたり系統立てたりできるのです。

こうして増やした経験が生徒に伝わっていき,教師として人間としての魅力になるのだと思います。