半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2350 読破10冊目「新人教師の授業診断」

●「新人教師の授業診断」(鈴木健二 明治図書★★★★
この書名には,前置きがあります。
「授業総合診療医ドクター鈴木の」です。
書名を見て違和感を感じました。
鈴木先生と書名があまり結びつかなかったからです。
書名は,ともかく,この本は新人教師だけでなくすべての教師に読んでもらいたいと思いました。
いろいろな研究発表会で参観する授業,例えば,学び合いとか生徒の自主性を伸ばすとか,教え合い高め合う学習とか,研究主題は素晴らしいにも関わらず,授業そのものがピンとこないものが多いと実感しています。
確かにかたちだけは,班学習や発表会など見栄えはいいですが,生徒一人ひとりが意欲的に学習しているとは言い難いのです。
その理由は,授業の基本ができていないからです。
一斉授業がしっかりとできないうちから,ハイレベルの授業をやろうとしてもうまくいかないのは当然です。
教科書も読まない,発問を練らない,生徒の一人ひとりを評価しフォローしない,教室環境の大切さもわかってないような教師に,ハイレベルの授業などできるわけがないのです。

そういった授業を実践する前に,この本を読んで授業の基礎基本を身につけてほしいと思います。
教職30年近い私にとっても,自分の授業がいかにマズイかを知らされる1冊となりました。

書名については,21日のセミナーで鈴木先生に会いますので,聞いてみたいと思います。