半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2295 読破55冊目「きのう火星に行った」

●「きのう火星に行った」(笹生陽子 講談社文庫)★★★
今,気に入っている笹生(さそう)さんの本です。
クールな小学生の拓馬が,ハードルの選手に選ばれます。
同じく選ばれた運動音痴のでくちゃん。
そして,自宅に戻ってきた病弱な弟,健児。
でくちゃんとのハードルの練習。
健児との新しい生活。
いよいよ大会。
ラストはスピード感あふれる描写で,グイグイと引き込まれます。
そして,最後の描写が素晴らしいです。

〈引用始まり〉
おれは最終ハードルをバーすれすれにクリアして,一気にラストスパートをかけた。呼吸は,ぜんぜんみだれなかった。手足は,不思議とかるかった。もう止まらずに,どこまでだって走っていけるような気がした。
信じられるか?
山口拓馬は,自分自身にむかって,いった。
信じられるか?
山口拓馬。
悪いけど,いま,おれは本気だ。
〈引用終わり〉

本気になることは,かっこいいことです。

きのう、火星に行った。 (講談社文庫)

きのう、火星に行った。 (講談社文庫)