半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2193 ドラマ「男たちの旅路」

男たちの旅路」は毎週日曜日午前10時から,NHKのBSプレミアで再放送されています。
このドラマは,1976年から1982年までNHK総合の土曜ドラマで全13話放送されました。
私は,このドラマが大好きで中学生から高校生の頃,全話見ました。

脚本は,「ふぞろいの林檎たち」の山田太一さんです。
出演は,鶴田浩二さん,水谷豊さん,桃井かおりさん,柴俊夫さんなどです。
警備会社に勤務する吉岡司令補(鶴田)は,特攻隊の生き残りです。
吉岡司令補とのぶつかりあいながら部下たちは,社会問題や生きることについて考えていきます。
山田脚本特有の言い回しが,耳障りになったりしますが,吉岡司令補の言葉が胸に刺さります。

特に老人問題を扱った「シルバーシート」と障がい者問題を扱った「車輪の一歩」は,高い評価を得ました。

毎回録画して保存しています。
折に触れ,見直そうと思います。
この再放送を見て,昔買った「男たちの旅路」のシナリオを読み直しました。
吉岡司令補のセリフがいいですね。
説教くさいですが,今読んでもグッときます。

●「車輪の一歩」の名セリフを紹介します。

「(車いすの)君たちは,普通の人が守っているルールは,自分たちも守ると言うかもしれない。しかし,私はそうじゃないと思う。君たちが,街へ出て,電車に乗ったり,階段をあがったり,映画館へ入ったり,そんなことを自由にできないルールはおかしんだ。いちいち,うしろめたい気持ちになったりするのはおかしい。私はむしろ堂々と胸をはって,迷惑をかける決心をすべきだと思った。」

●「シルバーシート」からの名セリフです。
「私はいまだに戦争というものを引きずっている人間です。戦争の体験から抜け出せずにいるのです。馬鹿だと言われます。いいかげんにしろと言われます。しかし,まわりがあまりに早く忘れすぎる。いや,忘れるならまだいい。誤解をし,たかをくくっている。それがやりきれなくて,戦争からぬけだせずにいるのです。たくさんの友人をなくしました。その友人たちが,内心は軍国主義反対だったと言われると,違うと思い,軍の教育ににだまされていたと言われると,違うと思い,なぜ抵抗しなかったのか,となどと言われると,カッとなり,つまりは何もわからないのだと思います。ぜめて俺ひとりは,死んだ友人の本当に姿を忘れずにいようと思うのです。」
男たちの旅路 傑作選」(NHK出版)より抜粋

これを機に,シナリオを読み直すつもりです。
ドラマのセリフには,いい言葉がありますから。

再放送ドラマ「男たちの旅路」の詳細はこちら
http://www4.nhk.or.jp/tabiji/