半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2159 職場体験学習のガイダンス 

今週発行した,学年通心12号より一部を紹介します。

■職場体験学習のガイダンスを行いました
 6月12日に体育館で,職場体験学習のガイダンスを行いました。2年生全員に,目的と24事業所の紹介と仕事内容の説明を行いました。ガイダンスのはじめに私が次のような話をしました。
「小さい頃の希望の職業に就けた人はどれぐらいいると思いますか?つまり子供の頃の夢が実現した人はどれぐらいかということです。私が読んだ本には,約15%という数字が出ていました。
 100人中15人ぐらいの人が,小さい頃の希望の職業に就くことができたということです。逆に言えば,85人は希望の仕事に就くことができなかったということになります。
 私もそうです。私も小さい頃は教師になりたいと考えたこともありませんでした。もっと言えば,自分は教師という仕事には絶対向いていないと思っていました。しかし,実際,教師になってみると,この仕事の面白さや厳しさややりがいなどを知ることができました。
 これから,どの職場に行きたいか希望をとります。もちろん好きな仕事,将来なりたい仕事,興味ある仕事を選んでもいいと思います。しかし,興味がない,将来の希望には入っていない仕事を選んでみてもいいのかなと思います。実際に,職場体験をしてみると,嫌いだった仕事,興味がない仕事の面白さや大切さなどがわかるかもしれません。この職場体験学習をきっかけにして,自分の将来の進路についてしっかりと考えてほしいと思います。」
好きな仕事や憧れの仕事に就くことができれば,こんな幸福なことはありません。しかし,東京大学の玄田先生によれば,その割合は15%程度ということです。数字だけから判断すると,仕事における自分の夢はなかなか実現しないことになります。だからと言って,夢をあきらめる必要はありません。別の仕事に就いたとしても,私のように,働いているうちにその仕事の意義や面白さがわかり好きになっていく可能性もあるのです。また,玄田先生によれば,夢や希望があった人は,やりがいのある仕事に就くことができる割合が高いという報告もしています。このことからも,夢や希望を持つことは大切だと言えます。子供たちには,将来の夢を持ち続けてほしいと思います。この職場体験学習が,子供たちの将来の職業選択の役に立つことを期待しています。