半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5610 木守の柿

秋になると子供の頃は,近所の農家のところへ行き,柿もぎをしていました。

あの頃の子どものほとんどが,スイスイと木登りができました。

高い所にあってどうしてもとれない柿は,竹竿の先端を鉈で割り,そこへ木の棒を差し込んだ道具を使っていました。

木の棒を差し込んでいるので,先端が少し開いているのです。

そこへ,柿が実っている小枝を入れて,ぐるっと回すと枝が折れて柿がとれるという具合です。

そんな柿もぎをしているところへ,おばあちゃんがやってきて,

「全部の柿をとったらいけないよ。2つは残しておくように」と言っていました。

「どうして」とたずねると

「1つは,鳥のためもう一つは神様のためにとっておくんだよ」

と教えてくれました。

これを,

「木守の柿」ということを,倉本聰さんの本「流れ星,破れた」(幻冬舎)で知りました。

近所の柿の木にも,ボチボチと実っています。

しかし,これは渋柿っぽいです。

渋柿は,吊るし柿にすると甘くておいしくなります。

これも,子供のころ,おばあちゃんに教えてもらいました。

遠い昔の懐かしい話です。