半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3562 黙りあい

毎日見ているブログの一つに野中信行先生のブログがあります。
その8月21日の記事を紹介します。

〈引用はじまり〉

朝日新聞での「折々のことば」(鷲田清一)から。
 現代人が失いかけているのは「話し合い」などではなくて、むしろ「黙りあい」だ
 やたらコミュニケーションの必要が説かれて時代だが、「黙り通した」ことのない人に「語りつくせる」はずがないと、歌人・演劇家は言う。人は話し相手を見つけることが幸福への糸口だと勘違いしていると。言葉を呑み込んだ相手の思いにあれこれと想像を巡らすより先にもう「返信」している、そんなネットの世界が出現するはるか前の発言である。
〈引用終わり〉


現在の教育では,自分の言いたいことをしっかりと主張する人間に育てるように進んでいます。
例えば,
・議論する道徳授業
・表現力
・発言力
・プレゼンテーション能力
・コミュニケーション力
ディベート
ビブリオバトル
・自己アピールなど

しかし,これらは本当に大切なのでしょうか。
生徒の実態を見れば,自分がいいたいことばかりを主張しています。
生徒指導をしている時も,すぐに言い訳をします。
話をしている最中に,割り込んで話し出します。

そうではないと思います。
話すことよりも,まずは聴くことが大切だと思います。
話していては,聴くことができません。
まずは,聴いてしっかりと受けとめることが大切です。
自分の頭の中で考えます。想像します。
言葉を発する前に,この言葉を言えば相手はどう思うだろうか,どうなるだろうかと考えます。

まさに「黙る」時間が大切なのです。
話し合いよりも「黙りあい」が大切なのです。