半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3190 道徳か国語か

今日は,市道徳部会がありF中学校の2年生で道徳授業を参観しました。
資料は,東日本大震災の後,中学生が作った短歌をつかっていました。
上の句を提示した後で,下の句を考えるということでした。
この下の句を考える過程で,2つの心を育てることができたと思いました。
①東日本談震災で被災した中学生の悲しみの心を思い計ることができた。
②下の句を学級で共有することで,学級内の仲間の心を思い計ることができた。

さて,授業研究で,この授業は国語だと思うという意見が出ました。

道徳か国語なのかを判断する材料は,指導要領に記載されている目標だと思います。

中学校学習指導要領には,国語の目標として次のように書かれています。

「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる」



この目標に照らして,今日の道徳授業を振り返ると,国語ではないと思います。
下の句をつくる過程で,他人の心を思い計るという点で道徳授業と言ってもいいでしょう。

しかし,この道徳授業の元ネタとなった本を自分の中でしっかりと咀嚼していないような感じを受けました。
また,下の句づくりにあまりにも時間をかけすぎてしまい,言葉にこだわりすぎたように思います。

ちょっと視点を変えれば,生徒の関心を高め思考を深めることができそうな資料だと思います。
機会があれば,私も作ってみたいと思えるような資料でした。