●「残念な教員〜学校教育の失敗学〜」(林純次 光文社新書)★★★
年数を重ねていくうちに「来る者拒まず,去る者追わず」というスタンスに変えました。
学びたいと近寄ってくる教師に対してのみ,アドバイスをしたり,資料を提供したりするようにしたのです。
(もちろん,野口芳宏先生の「本音・実感・我がハート」は大切にしています。)
この本から,日本の教育に対する私憤を感じます。
同時に,日本の教育を何とかしたい,すべきだという気概も感じます。
これは,著者自身が現場教師としての経験を持っているからでしょう。
授業が苦手な教師は,次の2つの力をつける努力をすべきだと強調しています。
①指示
②説明
なるほどと思います。
この2つがとりあえずしっかりとできれば,50分間の授業が授業として成立します。
最後に著者は,教師として身につけてほしい3つの力として
①精神的タフネスさ
②積極的行動力と,それに関連する思考力
③自己認識と他者認識
を挙げています。
なるほどと思います。
私が退職する頃は,20代教師が大幅に増加します。50代と20代教師がそのまま入れ替わるようになるのです。
この20代教師をどうやって育てるのかが,大きな問題となるはずです。
公的な研修だけでは,一人前の教師として育てることは難しいと誰もが分かっています。
身近にいる現場教師の存在が重要になってきます。
となれば,この20代教師を育てるはずである現在の30代教師を育てておくことが大切なのです。
10年後,入ってくる20代教師を「残念な教員」にしないためにも,今から手を打っておくことが必要なのです。
10年後,本県の教育は大きく変わるポイントがやってくると思っています。
- 作者: 林純次
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/02/17
- メディア: 新書
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