半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2444 読破37冊目「残念な教員」

●「残念な教員〜学校教育の失敗学〜」(林純次 光文社新書★★★

年数を重ねていくうちに「来る者拒まず,去る者追わず」というスタンスに変えました。
学びたいと近寄ってくる教師に対してのみ,アドバイスをしたり,資料を提供したりするようにしたのです。
(もちろん,野口芳宏先生の「本音・実感・我がハート」は大切にしています。)

この本から,日本の教育に対する私憤を感じます。
同時に,日本の教育を何とかしたい,すべきだという気概も感じます。

これは,著者自身が現場教師としての経験を持っているからでしょう。

授業が苦手な教師は,次の2つの力をつける努力をすべきだと強調しています。
①指示
②説明
なるほどと思います。
この2つがとりあえずしっかりとできれば,50分間の授業が授業として成立します。

最後に著者は,教師として身につけてほしい3つの力として
①精神的タフネスさ
②積極的行動力と,それに関連する思考力
③自己認識と他者認識

を挙げています。

なるほどと思います。

私が退職する頃は,20代教師が大幅に増加します。50代と20代教師がそのまま入れ替わるようになるのです。
この20代教師をどうやって育てるのかが,大きな問題となるはずです。
公的な研修だけでは,一人前の教師として育てることは難しいと誰もが分かっています。
身近にいる現場教師の存在が重要になってきます。
となれば,この20代教師を育てるはずである現在の30代教師を育てておくことが大切なのです。
10年後,入ってくる20代教師を「残念な教員」にしないためにも,今から手を打っておくことが必要なのです。
10年後,本県の教育は大きく変わるポイントがやってくると思っています。

残念な教員 学校教育の失敗学 (光文社新書)

残念な教員 学校教育の失敗学 (光文社新書)