半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2345 読破9冊目「風雲児たちガイドブック解体新書」

●「風雲児たちガイドブック解体新書」(おかべたかし みなもと太郎 リイド社★★★★
マンガ「風雲児たち」は1979年に連載が始まりました。途中で出版社が変わり,タイトルも「風雲児たち幕末編」となりましたが,何と36年間も続いている大河マンガなのです。
風雲児たち」ワイド版が全20巻,「風雲児たち幕末編」が25巻が世に出ています。
こんなすごいマンガにも関わらず,あまり知られていないのが悲しいですね。
このガイド本には,マンガに登場した中から,魅力的な30人をピックアップして紹介しています。
例えば,平賀源内,大黒屋光太夫高野長英など私が好きな人物について分かりやすく紹介されています。
この本を読むと,歴史のタテ糸がいかにつながっているかわかります。
例えば,吉田松陰の「松陰」という名前は,彼が尊敬していた高山彦九郎の諡(いみな=死者につける名前)からとっていること。
例えば,ペリーが来航した時に,小笠原諸島アメリカ領と主張しました。もし,日本領というならば,それを証明する世界的な資料を出せと言ってきたそうです。
その時に幕府が提出した本が,林子平が書いた「三国通覧図説」のフランス語版だったということです。
もし,この本がなければ,今頃は小笠原諸島は,アメリカ領になっていたかもしれません。
このような,教科書に出てこないようなエピソードが数多く描かれているのが,「風雲児たち」なのです。
みなもと先生は,完結まであと13年と言っておられます。そうなると,50年間という壮大な歴史マンガになるのです。

風雲児たちガイドブック 解体新書 (SPコミックス)

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