半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2125 親の気持ちを考えたことがありますか?

今週の月曜日に発行した「学年通心」第7号より紹介します。
母の日のネタです。

■親の気持ちを考えたことがありますか?
 5月12日日曜日は「母の日」でした。私の二人の息子は自宅を離れて生活していますので,彼らに代わって,私が妻にカーネーションを贈りました。私が子供の頃は,小遣いが少なかったこともありますが,カーネーションを贈った記憶はありません。しかし,子供心に少しでも楽にしてあげたいと考え,肩たたきや炊事・洗濯などの手伝いをしていました。私の母は平成6年に64歳で他界しました。なくなった後,もっといろいろなことをしてあげればよかったなと痛感しました。自分が51歳になった今,「親孝行したいときには,親はなし」という言葉が本当に心にしみます。
 さて,中学生の時期になると,親の一言一言がうっとうしく感じたり,理由もなく反抗したりするものです。また,親の気持ちを考えることがなかなかできないこともあると思います。しかし,親は自分の子供を誰よりも愛しています。誰よりも大切に思っています。誰よりも,子供の成長を願っているものなのです。そんな親の気持ちを少しでもわかってもらうために,次の文を紹介します。出展は『母から子への手紙〜あなたに伝えたい想いがある〜』(猪苗代町絆づくり実行委員会 幻冬舎)で,タイトルは「顔見せっこ」です。
 「ただいま」玄関でズックをぬいだあなた。「おかえり」とお母さんが声かけた時は階段を上がっていく後ろ姿。
 パソコンでゲームしてたり,携帯でメールしてたり,テレビ見てたり漫画読んでたり,なんかお母さん最近けいちゃんの丸い背中ばっかり見てるなぁ…。
 そういえばお母さんもけいちゃんが話してるのを自分の用事をしながら聞いたり,台所に立ったりしてけいちゃんの背中しか見せていないね…。」
 背中では話ができないし,背中は話を聞くこともできない。背中はけいちゃんをちゃんと見ることもできないね…。
 背中ばっかり見てたら寂しいし,けいちゃんのことわかんなくなっちゃうね。
これからは背中見せっこ親子はやめて,顔見せっこ親子になろうね。
 お母さんはけいちゃんの身体も気持ちも,ずっとずっと真っ正面で受け止めていきたいよ。
 だからこれからは背中見せっこはやめて,お互い嬉しい顔も悲しい顔も,怒った顔も見せっこしようね。」                        (福井県敦賀市 中田昭子41歳)