半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2122 42冊目「都市伝説セピア」

●「都市伝説セピア」(朱川湊人 文春文庫)★★★
私の本格的な読書は,中学生からはじまりました。
このきっかけになった1冊は,横溝正史の「八つ墓村」でした。この後,横溝作品を読みあさりました。おそらく100%とまではいきませんが,90%の作品は読破したと思います。
ここまで,はまった理由は,時代設定の魅力です。
戦争が終わって,まだ世の中が混沌とした時代です。町には,まだまだ暗闇が存在していたと思います。田舎だとなおさらその暗闇の不気味さが残っていたことでしょう。
田舎の古い風習やドロドロした人間関係が,いっそう不気味さを増していました。

さて,この朱川さんの作品ですが,同じにおいがしました。また,江戸川乱歩の世界にも似ています。
超常現象的な話ですが,どことなく懐かしさが漂っていました。特によかったのは,最後の「月の石」という話がよかったです。
大阪万博で見た,アメリカ館の「月の石」が柱になっていて,夫婦愛を描いてあります。

朱川さんの本は,すでに買った本が2冊ありますので,そちらも楽しみです。

さあ,今からテスト問題(2学年分)を作らねば。

都市伝説セピア (文春文庫)

都市伝説セピア (文春文庫)