半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

1967 またしても

今日の午後は,社会科部会に参加しました。会場は,市内の小規模校であるM中学校でした。2年生の地理の学習でしたが,またしても「学び合い学習」の授業でした。
前回のE中では,「学びの共同体」を推進している講師の前で,教科書中心の授業を主張しました。このブログにも意見を書きましたので,今回は「学びの共同体」に対する発言はしませんでした。
しかし,今回も違和感が残る,もやもやした授業でした。
さて,1月に2回も「学びの共同体」に基づいた授業参観をしましたので,ここでもう一度,原典にあたるために「教育改革をデザインする」(佐藤学 岩波書店 1999)を開いてみました。
その「改革の具体的提言」の中で中学校に関わる,気になった部分を紹介します。

①指導要録の「観点別評価」(関心・意欲・態度の評価)を廃止する。
内申書の廃止
不登校の最大の問題は,不登校の子どもの学習権が公的に保障されていない点にある。
④高校入試の全廃
⑤教育評価の改革。中学校の5教科(国,社,数,理,英)以外の教科の評価は,数値評定しない。言語情報評価にする。

仮にこれらがすべて実現したとして,中学生が意欲的に学び(佐藤氏は学習ではなく,あえて学ぶという文言を使っています),不登校生徒がいなくなり,校内暴力がなくなり,モンスターペアレンツがいなくなり,いじめがなくなり,学校が生徒にとって居心地がいい場所になるのでしょうか。

「学びの共同体」を取りれている学校は,上のような佐藤氏の考えを理解した上で実践しているのでしょうか。

まさか,流行っているから,他の学校でもやっているから,取り入れているわけではないと思いますが。(笑)

不易流行の不易の部分を大切にしたいものです。

私は,授業を通して生徒一人ひとりを鍛えたいと思っています。