一般的に,どの学校でも年度初めに研究テーマを決定して,そのテーマに沿った研究を進めています。
例えば,
「学力向上を目指した授業改善」
「学習意欲を高める指導方法の工夫」
「生徒の言語力や表現力を身に着けさせる方法」
今なら,「アクティブラーニング」などをテーマにしている学校も多いことでしょう。
基本的な動きとして,研究授業を行いその後,授業研究をします。
あとは,夏休みなどを利用して,生徒指導の事例研究や平和教育や特別支援教育などの「研修」を行います。
こうなると,「研究」と「研修」が混在していることになります。
ですから,私が研究主任をしている時は,「研究」と「研修」の違いを明確にして,「研究」よりも「研修」に力を入れていました。
その理由は,普通の学校で「研究」ができるかどうか疑問に思っているからです。
「研究」を行う時間的余裕もありませんし,「研究」の土台となる根本的な理論もないでしょう。
また,明確な理論に基づいて実践をしている教師がどれぐらいいるか不明です。
この「研究」と「研修」について,野中信行先生がブログで書かれていましたので,紹介します。<引用始まり>
一学校では、「研究」では、もうダメであると言い切りたい。
「研究」とは、未知のことがらに、理論を打ち立てることである。
「研修」とは、効果のある方法を身に付けることになる。
野口芳宏先生は、次のように言われている。
★ ★ ★
「研究」は、子供を変える方法や考え方を一から追究すること。「研修」は、教師自身を変えることを目指すこと。
★ ★ ★
一学校が、今問われていることが、「研究」なのか、「研修」なのか、一目瞭然ではないだろうか。
研究を支えている先生たちに言いたいのだが、いまやられている学校の研究活動は、習慣的に、今まで学んできた方法を駆使してやっているだけではないだろうか(私がそうだったからだが…)。
一度、ほんとうに今それが必要であるかどうか、それが先生たちの授業力の向上につながるのか、ぜひ問いかけてほしい。<引用終わり>
その通りだと思います。
毎年行われている「研究」が日々の授業にどれぐらい役に立っているのか,また,「研究」で教師としてどれぐらい成長できたのかをしっかりと考えるべきだと思います。
野中先生のブログはこちらへ
http://nonobu.way-nifty.com/blog/2016/12/post-29be.html